税と社会保障 現状を知る 年金は保険

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日本人は日本に住んでいると、日本の体制・仕組みの中で生きることしか選択肢がありません。

それでは、わたしたち日本人が生きている日本国の体制(システム)はどうなっているのでしょうか。
経済大国と言われている日本のシステムを知るためには、通貨(お金)の流れを知ることでわかってきます。

その前に日本の通貨(お金)はどのように作られているのでしょうか?

昔は世界中で金(ゴールド)を全ての物の基準とした「金本位制」がとられていましたから、各国が使用する通貨(お金)も金(ゴールド)を基準に価値が決まっていました。
現在はドルやユーロといった基軸通貨を決めて価値の目安にしています。
「金本位制」の時代は金(ゴールド)がたくさん採れる国が豊かな国になります。
黄金の国ジパングと呼ばれた日本は国内通貨の大判・小判にも金(ゴールド)が使用されていた豊かな国だったのです。

江戸時代から明治時代に変わると、円(¥)という全く価値のない紙幣や硬貨を通貨と決め、日本国内の国家事業として行われる活動や物に対して円(¥)と引き換えて増やして行きます。
円(¥)を受け取った人は、物や活動を手に入れるために円(¥)を使います。
日本国内に円(¥)がどんどんと流れていきます。
この直線的で枝分かれした円(¥)の流れをループ状にしなくては流れが止まってしまい円(¥)が動かなくなってしまいます。

円(¥)を作った日本国に回収しないと流れが止まってしまいますから、回収するための仕組みが作られます。
税金と貯金(郵便貯金)がその仕組みです。
円(¥)が使用され流れる時にいろいろな名前を付けた税金として一定の割合で少しづつピンハネすることで円(¥)を回収します。
銀行などの金融機関に貯金として流れの止まった円(¥)は、投資運用されて新しい流れを作ることで利益を生み分配されます。
しかし、今は運用先もなく銀行などの金融機関は日本国債の購入に使われています。(郵便貯金はもっぱら国債購入に使われます。)
税金と貯金(郵便貯金)は日本国に回収されて国家予算として使用されます。
これが、円(¥)を日本国内で循環させる基本的な仕組みです。

 

 

 

 

 

 

税金や貯金(郵便貯金)でお金(¥)を回収する仕組みとは別に、社会保障の為にお金(¥)を回収する仕組みがあります。
社会保障とは年金・医療・福祉のために使用するお金(¥)です。

次に社会保障の一つである年金、日本の年金制度について見ていきましょう。

日本の年金制度については様々な発言がされています。

政府・与党は、公的年金は将来にわたって持続可能な制度だと言っています。
野党側は、年金はもはや安心な制度ではないのではないかという指摘をしています。

2019年6月12日 菅官房長官 発言
「公的年金は将来にわたり持続可能な制度を構築しており、年金こそが老後の生活設計の柱だ」

2012年1月4日 橋下徹市長 記者会見での発言 記者の質問を受けて
「高度成長時代は賦課方式で現役世代に負担を負わせるって言うあの方で良かったんでしょうね、ネズミ講ですよね、どんどん現役世代が広がっていって、もうそれはどっかで破綻するって普通は考えなきゃいけなんですけどね、積立方式に変えるっていうのはこれはもう原理原則当たり前の話なんですけど、これをやると選挙で票が入らない。」

2019年10月1日 幸福実現党 及川幸久 You Tube での発信 発言を抜粋
公的年金とネズミ講の仕組みはほぼ同じだか、本人の意思に関係なく強制的に入らされる公的年金よりネズミ講のほうがマシである。
2030年頃に公的年金は破綻する。
公的年金は福祉ではなく保険です。保険と言われる金融商品は保険料で全てを賄わなければなりません。しかし、公的年金は保険料では賄えずに税金(消費税)で補填されています。

 

いったい何が本当で正しいのでしょう?

社会保障、特に公的年金を理解するために、公的年金のお金の流れを“政府発表の数字”からわかりやすく見てみましょう。

先ず前提として
公的年金は福祉ではありません。
公的年金は保険です。
保険は金融商品です。
この事をしっかりと憶えておいてください。

2019年の社会保障給付費123.7兆円の給付内訳です。
年金 56.9兆円 46.0% 対GDP比10.1%、医療 39.6兆円 32.0% 対GDP比7.0%、福祉その他 27.2兆円 22.0% 対GDP比4.8%となっています。

それではこの社会保障給付費の財源の負担はどうなっているのでしょう。
保険料 71.5兆円 59.4% (被保険者拠出 37.9兆円 31.5%・事業主拠出 33.6兆円 27.9%)、税 48.8兆円 40.6% (国税 34.1兆円 28.4%・地方税 14.7兆円 12.2%)となっています。

厚生労働省HP

公的年金は福祉ではなく保険(長生き保険)です。
本来、保険と言われる金融商品は保険料で全てを賄わなければなりません。
しかし、公的年金は保険料では賄えずに税金が48.8兆円 40.6%も補填されています。
この現状を見てどう思われますか?

更に補填されている税金のお金の流れをわかりやすく見てみましょう。

2019年度予算の内訳です。
一般会計歳出総額101.5兆円の33.6%に当たる34.1兆円が社会保障として補填されています。
更に国債費として23.5%に当たる23.5兆円が、債務償還費、公費等の償還等に必要な経費、利子の支払いに必要な経費、利払い費事務取引費として使われています。
また自治体財源が確保できない自治体へ収入の格差を少なくするために地方交付税交付金15.8% 16.0兆円が交付されています。
一般会計歳出総額101.5兆円から社会保障と国債費そして地方交付税交付金の合計72.9%をひいた残りの27.1%が公共事業・文教及び科学振興・防衛に使われます。


財務省HP

税金のムダ遣いとよく言われ聞きますが、この現状を見てどう思われますか?
ムダも問題ですが、それ以上に問題にすることが見えるのではないでしょうか?

給与からは、税金として所得税・住民税が、社会保障として健康保険・厚生年金・雇用保険・介護保険が各項目で引かれています。
給与明細を見てもらえれば書かれています。
厚生年金は保険とは書かれていませんが正確には厚生年金の保険料の事です。
国民年金も同様に国民年金の保険料になります。

徴収は税と保険で分かれていますが、給付では保険に税が使われて一緒に扱われようとしています。
これがお金の流れから見た日本の年金制度の現実です。

租税とは日本では税金と呼ばれ、国や地方公共団体(政府等)が、公共財や公共サービスの経費として、法令の定めに基づいて国民や住民に負担を求める金銭である。
現代社会においてほとんどの国が物納や労働ではなく「お金(通貨)」による納税方法 (金銭納付) を採用している。

フリー百科事典 ウィキペディア(Wikipedia)より


学校の先生にも、周りにいた大人からも教えてもらうことはありませんでした。
そして何も教えられないままに過ごしてきました。
何も判らないままで、何も知ろうとせず、何も思うことなく過ごしてきました。
もっと早くに知っていたら・・・、もっと早くに教えてくれたら・・・。
変わっていたのではないかと思う事がたくさんあります。

教えてくれないだけならまだしも、最近はフェイクを教えられますから本当の事(自分にとって)を判断できる力が必要です。
誰かが言ったこと、誰かに教えてもらったこと、ネットで知ったこと、テレビで見たこと、全てを鵜呑みにするのではなく、自分で考え、自分で動いて、自らが納得できる自分の答えが出せる自分力を育てる必要があります。

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