無線送電技術の研究開発をしている国は日本だけです

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VIZIVテクノロジー社の進めている無線送電技術は、日本でも研究開発が90年代から行われています。

宇宙太陽光発電システム(Space Solar Power System) = SSPSプロジェクトと呼ばれ宇宙航空研究開発機構(JAXA)、経済産業省が研究開発をしています。
このプロジェクトは宇宙空間で静止衛星による太陽光発電を行い、そのエネルギーを地球に無線伝送することでエネルギー供給を行うという発電方法です。
アポロ計画が推進されていた1968年にピーター・グレイザー博士によって提唱された、宇宙空間に巨大な太陽電池とマイクロ波送電アンテナを配置し、太陽光エネルギーを電気に変換した後にマイクロ波に変換して地球上に設置した受電アンテナへ送電をして 地上で電力に再変換してエネルギー源として用いる構想です。


JAXA研究開発部門HPより   http://www.kenkai.jaxa.jp/research/ssps/ssps-ssps.html

第1次オイルショックが発生したことで化石燃料に頼らない社会の構築が可能なアイデアとして社会から注目を集め、アイデアを基礎とした大規模宇宙構造物を有人で建設する宇宙太陽光発電システム = SSPSが、米国、欧州で検討されましたが当時の技術力では実現が難しく経済的な理由などによって開発計画は凍結されます。

1990年代後半から、昼夜天候を問わずに発電が可能で地上における太陽光発電と比べると発電効率も5~10倍ほど高いクリーンエネルギーであること。
そして資源の枯渇を懸念する必要がないというメリットから再び議論に上るようになります。
宇宙太陽光発電システム = SSPSは2000年代半に、もう一度具体的な検討が進められ始めます。

日本では宇宙航空研究開発機構(JAXA)、および経済産業省が宇宙太陽光発電に関する研究開発をこの頃から始めます。
1980年代からSSPSに関する組織的な研究活動が開始され、90年代には宇宙科学研究所が中心となり大学及び国立研究所の研究者も巻き込んだ1万kW級の「SPS2000」の設計が始まります。
2000年代に入りJAXA及び経済産業省により100万kW級のSSPSの検討が行われています。

現在、日本以外の国では財政上の問題や政策上の方針などにより継続的な研究開発を行っていません。
国家事業として取り組んでいるのは日本だけです。
企業として研究開発をして事業化を進めているのがVIZIVテクノロジー社です。

宇宙太陽光発電で衛星からエネルギーを地上に無線伝送する方式として、マイクロ波を利用するマイクロ波SSPS(M-SSPS)方式と、レーザー光を利用するレーザーSSPS(L-SSPS)方式が実験されています。
M-SSPS方式は太陽光発電による電力をマイクロ波に変換して地上に伝送し、再び電力を取り出そうとするものです。
L-SSPS方式は太陽エネルギーをレーザー光線に変換して伝送し、レーザー光のエネルギーによって海水から水素を取り出すなどのエネルギー生成を行うものです。

2009年の時点では、衛星から地上への電磁波の伝送効率や、送信経路を制御する技術、宇宙空間で発電を行うための資材を運び出す輸送コストの採算など多数の課題があります。

マイクロ波の技術は、衛星テレビ放送、多重無線通信、レーダー、マイクロ波加熱(電子レンジ)、マイクロ波分光法、マイクロ波化学、マイクロ波送電、マイクロ波イメージングなどに利用されています。


マイクロ波による無線送電試験が日本で行われています。


JAXA研究開発部門HPより   http://www.kenkai.jaxa.jp/research/ssps/ssps-mssps.html

2015年3月8日、JAXA が一般財団法人 宇宙システム開発利用推進機構(J-spacesystems)と共同で日本初となる屋外試験を実施しました。
送電部から 55m 離れた受電部に最大1.8kW の電力を送電し、受電部で 300W ほどの電力を取り出すことに成功しました。
試験では 1.8kW の電力を送電して 16%ほどの300Wの電力を取り出しました。

三菱重工は2015年3月10日、マイクロ波で遠隔地へ電力を送る無線送電の実証試験に成功したと発表しました。
送電部から約500m離れた場所にある受電部へ約 10kW の電力を送り「受信」した電力の一部を使って LED ランプを点灯させることに成功しています。
試験では 10kW の電力を送電して LED を点灯させましたが取り出せた電力は送電した電力の10% ほどです。

場所:三菱電機株式会社 兵庫県内の試験場
JAXA研究開発部門HPより

宇宙太陽光発電システムでは 3万6000km の宇宙から地上への伝送が必要となります。
3万6000kmは実験で成功した500mの72000倍の距離になります。
実用化には高出力化とエネルギー変換時の損失削減が大きな開発の課題になります。


太陽からの日射エネルギーを用いる宇宙太陽光発電システム = SSPSは、再生可能エネルギーの一つに分類できます。

宇宙太陽光発電システム = SSPSのエネルギーの流れをイメージで示したものです。

JAXA研究開発部門HPより

太陽から多量の日射エネルギーが地球に届きますが、地球に照射しなかった日射エネルギーの一部を宇宙空間において無線(マイクロ波もしくはレーザー)に変換して
地表に届け有効に利用しようというものが、今日までの宇宙太陽光発電システム = SSPSに共通するコンセプトです。

日射エネルギーを直接的、あるいは間接的に利用する再生可能エネルギーとして、地上太陽光発電、水力、風力、波力、バイオマス等があります。
日射エネルギーからスタートして、それぞれの再生可能エネルギー源につながるエネルギーフローです。

電力としての利用は、水力(発電用ダム)が19世紀から始まります。
2000年代以降に地上太陽光発電、風力等の技術が特に大きく伸長し、2004年→2013年→2014年の世界の再生可能エネルギー発電容量は 800GW→1578GW→1712GWと
飛躍的に増加しています。

宇宙太陽光発電システム = SSPSの研究開発は、 『人類が保有している、これらの日射を源とする再生可能エネルギー技術に、将来的に新たな選択肢を付け加える』ためのものと位置づけています。

宇宙太陽光発電システム = SSPSは宇宙で再生可能エネルギーをつくり無線伝送によって地球に送りますから送電先の切り替えが可能になります。
また、天候や昼夜の影響による発電変動が小さいので安定した再生可能エネルギーを作る事が出来ます。

一方で複数の課題が存在していて、課題・問題の解決には長期に渡る研究開発を継続していく必要があります。

再生可能エネルギー技術のさらなる進歩や、更なる発電変動を緩和するための蓄電等の技術の進歩と社会実装が見込まれる中でJAXAは宇宙太陽光発電システム = SSPSの研究開発を進めています。

宇宙太陽光発電システム = SSPSは、2010年代の時点では研究と実験が行われて技術的課題も多くあります。

しかし、2030年以降には実用化されるとみられています。
日本以外の国では財政上の問題や政策上の方針などにより継続的な研究開発を行っていませんから、成功すれば日本独自の技術として実用化されることになります。

宇宙空間での発電機や伝送装置の大規模宇宙構造物の建設は技術的にも経済的にも難しいですが、地球上で発電した電気を無線送電する技術は2030年より早くできるはずです。
2030年までには日本国内の電気の有線送電が全て無線送電に変わってほしいと願っています。

しかし2030年まであと10年しかありません、せめて離島や山中などに無線送電がされていてほしいと思います。

ノーベル賞と天才発明家
真実は知らされない
作られた歴史と作られた科学
世界システムは実現するのか

現在のアメリカのテキサス州にテスラタワーが実在することを知っていますか?
VIZIVテクノロジーズ社が作ったタワーです。

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