ミカンの木に小さな白い虫が無数にいるよ その2

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10月になりミカンが色づき始めると、5月頃に無数にいたミカンコナジラミは姿を消し、ミカンの葉には別の白い物と茶色い物が沢山ついています。
この、白い物と茶色い物を調べてみます。

Googleで検索すると直ぐにわかりました。

「ヤノネカイガラムシ」です。

ヤノネカイガラムシは、中国大陸からの「侵入害虫」です。
1907 年に長崎県で初めて確認されました。
当時は効果の高い防除薬剤は少なく、さらに薬液を弾きやすい姿形から、薬剤による防除が有効ではありませんでした。
1960 年代前半頃は、樹体を気密性の高い天幕で覆った後、人体に毒性が高いことで知られている「青酸ガス」による燻蒸処理が行割れていました。
その後、スプラサイド剤等の有機リン系の殺虫剤が登録・普及します。
さらに 1980 年代に入り、中国大陸から有力な天敵寄生蜂「ヤノネキイロコバチ」と「ヤノネツヤコバチ」を導入したことで、被害(密度)が減少しました。
しかし、近年カンキツ栽培において、本虫を含めカイガラムシ類の発生が多くなっています。

雌成虫:茶色でやじりの形。長さ3.5mm~5mm。
雄蛹:白い綿状の分泌物をかぶっている。体長3mm~4mm。古葉の裏などに集団で着生している。
歩行幼虫:平たく、体長0.2mmくらい。
雄2令幼虫:ロウ物質を分泌して白い綿をつけているように見える。体長0.5mm。

越冬は雌成虫が枝葉上で行うのが一般的です。
越冬した雌成虫は5月上旬頃から産卵します。
卵は数時間後に孵化し、歩行して葉や枝に分散して定着します。
このとき雄は母虫の近くの古葉にとどまって集団を作ることが多く、一方雌は春枝の先まで移動して若葉に一頭ずつ散らばって定着します。
孵化から定着までに経過する時間は数時間以内です。
1令幼虫の発生は、5月中旬から6月上旬に最も多く定着した雄の幼虫は直ちに白い綿のようなロウ物質を、雌の幼虫は灰白色のカイガラを分泌し始めます。
幼虫期間は2令で、その後雄は蛹になり、雌は未熟成虫となります。
1令期間は12~15日、2令期間は20日前後です。
5月から発生した第1世代幼虫が成熟して第2世代を産むのは7月から10月と幅広く、第2世代幼虫発生のピークは7月下旬から8月中旬です。
早く発生した第2世代は成熟して9月ごろから第3世代を産みます。
第3世代2令幼虫、第3世代未熟成虫、あるいは遅く発生した第2世代成虫の形で越冬します。
雄は年内に蛹となり羽化して、雌と交尾した後死にます。

国立研究開発法人 国立環境研究所 侵入生物データーベース

和名 ヤノネカイガラムシ
分類群 カメムシ目 カイガラムシ上科 マルカイガラムシ科(Diaspididae, Coccoidea, Hemiptera)
学名 Unaspis yanonensis
英名等 Arrowhead snow scale, Japanese citrus scale, Oriental citrus scale
自然分布 中国中~南部
形態
矢根形の介殻を持つカイガラムシ。
雌の介殻は長さ2.8~5.5mmで、細長く濃褐色を呈し、周辺に灰白色の縁がある。
背面中央には極めて顕著な縦稜がある。
雄の介殻は長さ1.25~1.5mmで、細長く白色を呈し、背面中央には極めて顕著な3縦稜がある。
生息環境 柑橘類に寄生。
繁殖生態 繁殖期:春~秋。越冬した雌成虫は5月上旬頃から産卵する。
両性生殖。卵は数時間で孵化し、歩行して葉や枝に分散して定着する。このとき雄は母虫の近くの古葉にとどまって集団を作ることが多い。
一方雌は春枝の先まで移動して若葉に一頭ずつ散らばって定着することが多い。
孵化後、歩行して葉や枝に分散して定着するまでに経過する時間は数時間以内である。
生態的特性 食性:植物食

イセリアカイガラムシ
「カラ(殻)」のない無殻カイガラムシで別名、ワタフキカイガラムシとも呼ばれます。
密植や、樹形の過大をさけて、薬剤がもれなくかかるよう管理する。
発生後の越冬している時に、マシン油により冬季防除を行うのが効果的です。

ルビーロウカイガラムシ
冬季の成虫はロウ物質で覆われた殻を持つために薬剤が弾かれて効果がありません。
薬剤による防除は、弱齢幼虫発生時期である6~7月に行うと良いです。
「スミチオン乳剤」や「スプラサイド乳剤40」などを散布します。
冬季の成虫はヘラや歯ブラシで取り除くのが効果的である。 ← 実際に試してみましたが歯ブラシで擦ったくらいでは落ちませんでした。
天敵であるルビーアカヤドリコバチによる駆除という方法もある。

カイガラムシというと画像のようなカイガラムシを想像しますが、色々なカイガラムシがいます。
ヤノネカイガラムシのメスは他の虫の蛹のようにも見えます。


余談ですが、コチニールと呼ばれる食品用の赤い色素はカイガラムシから作られています。
飲料・酒・菓子など、様々な食品の色付けに使用されています。
これを知った時はとても驚きましたが、科学的に作られた色ではなく自然から作られた色ですから安心です。
赤い食品の成分表示にコチニールと書かれているかもしれません。

このカイガラムシから赤い色素が作られています。
我家の冷蔵庫にあったロースハムにもコチニールが使われていました。


葉に群生したカイガラムシの駆除をしたいと思います。

カイガラムシの駆除にはマシン油・アプロードエースフロアプル・スプラサイド乳剤を使用するのが良いです。
時期によって薬剤を変えると効果があります。

散布と時期と薬剤・薬剤希釈

12月下旬から1月中旬
マシン油乳剤95% 40倍希釈
マシン油乳剤97% 60倍希釈
3月下旬
マシン油乳剤95% 40倍希釈
マシン油乳剤97% 60倍希釈
6月中旬から7月上旬
アプロードエースフロアプル 1000倍希釈
マシン油乳剤95% 100倍希釈
マシン油乳剤97% 150倍希釈
8月中旬から9月上旬
スプラサイド乳剤 1500倍希釈

マシン油を近所のホームセンターで購入します。
普通にホームセンターで販売されていて価格も400円程度とに入手し易い薬品です。
マシン油を散布する前に、カイガラムシが多く付いた葉や枝を切り、日光が入るよう枝を剪定します。

12月10日
ミカンの収穫が終わった木から散布をします。
マシン油と水を計量して40倍に希釈し散布機に入れて良く攪拌します。


保護メガネとマスクを着けて、葉の裏表に満遍なく散布します。
散布後に雨が降ってマシン油が流れ落ちてしまわないように天気に注意します。


1月10日
2回目の散布をします。
少しですが葉の色がきれいな緑になってきたように感じます。
前回同様に、天気に注意して保護具を付けて40倍に希釈したマシン油を散布します。

1月末
ミカンの葉に付いていた黒いススが剥がれ始めました。
また、葉の裏に付いていたカイガラムシが剥がれ落ち始めました。

4月
新芽が開き始めました。
ダメージの大きい葉は落ち、部分的に枯れた葉が枝に残っています。
マシン油を散布した効果で、ヤノネカイガラムシは少なくなったように感じます。

ミカンの木に小さな白い虫が無数にいるよ


ミカンコナジラミによってスス病で黒くなっていた葉は雨や風の影響もあってススが剥がれて緑になっています。
葉の裏側に付いていたミカンコナジラミの幼虫は落ちて付着していた部分が丸い跡になっています。

 

 

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