ヘビの抜け殻から わかることがあります 種類 大きさ 尾 裏返し

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ヘビの抜け殻を見つけた事のある人は多いと思います。
しかし、抜け殻の一部だけを見つけることはあっても、完全な抜け殻を見つけることは少ないと思います。

新聞の地方記事や地方紙で時折こんな記事を見る事があります。
これは2020年6月にヤフーニュースで配信されていた記事です。

6/1(月) 9:25配信 愛媛新聞ONLINE
2メートルの抜け殻 たまげた! 鬼北で巨大ヘビ2匹分発見
愛媛県鬼北町清水のクロッケー場付近でこのほど、全長216センチと197センチのヘビの抜け殻が見つかった。
面河山岳博物館(久万高原町)によると、アオダイショウの可能性が高く「2メートルを超える大きさは非常に珍しい」という。
発見したのは「清水クロッケー愛好会」のメンバーとゲームを楽しんでいた男性(67)。
打ったボールの方へ歩み寄ると、水路にヘビの抜け殻が。
「あまりの大きさにびくっとした。破れずに脱皮していてすごい」
ほどなくして、少し離れたクロッケー場の端にあるガードレールの裏側で、もう一つの抜け殻を確認。
早速、メンバーは長さを測定した。大物2匹分の抜け殻の発見に「これは話題になる」と思い、町役場へ連絡した。

6/30(火) 10:35配信 西日本新聞
長さ2メートル!巨大ヘビの抜け殻発見 「こんなに大きいのは初めて」
大分県日田市上津江町川原の農業梶原茂弘さん(77)が、自宅そばのユズ園で2メートル近いヘビの抜け殻を見つけた。
山間部にある梶原さん宅周辺では、1メートルを超えるヘビを見かけることも珍しくないというが「こんなに大きいのは初めて」と驚いている。
抜け殻は19日、ユズ園で草刈りをしている最中に雑草の中で見つけた。
計ってみると194センチ。「大きさから多分アオダイショウだろうが、周囲に本物がいるんじゃないかとびくびくしました」と梶原さん。
「金運を呼ぶ」ともいわれるヘビの抜け殻だが、「今のところ何も変わったことはありませんね」と苦笑する梶原さん。
今後この抜け殻をどうするか思案中だ。

完全な抜け殻を見つけるのは珍しく抜け殻が2m位の長さだと更に珍しいので見つけた人が新聞社や役場に連絡して記事になります。
そして記事には、2m近い大蛇と書かれます・・・。
後で詳しく書きますが、抜け殻が2mだと脱皮したヘビは抜け殻の長さの2~2.5割程度は短くなりますから1.5~1.6mになります。


わたしは頻繁に家の石垣でヘビの抜け殻を見つけます。
先日、見つけたヘビの抜け殻です。
完全な1本物です。

伸ばしてみると0.95m位なので、脱皮したヘビは0.71~0.76mでしょうか。

ヘビの種類はシマヘビだと思われます。
なぜシマヘビだとわかるのか、その理由も後で説明します。

キレイな姿で残っている抜け殻は新しいものになります。
脱皮して間がない抜け殻は乾燥も進んでいないので手で伸ばして形を整えたりゴミを取ったりすることができます。
日数が経過した抜け殻は風雨と日光でもろくなり、アリに食べられたりしてボロボロになっています。

ヘビの抜け殻から、どんなことがわかるのでしょうか。

 

今回の抜け殻は1m位なので、脱皮したヘビは0.75~0.8mになります。
何故、抜け殻は長くなるのか?
それは、脱皮の時にうろことうろこの間の部分が伸びてしまうために、実物よりもかなり長くなってしまいます。

ヘビの抜け殻は2割ほど長くなっていることを知っておくと脱皮をしたヘビの大きさが推測できます。

 

ヘビの種類はシマヘビと推測できます。
何故、シマヘビなのか?
それは、背側の斜め方向にキレイに並んだウロコ「体鱗」と腹側のウロコ「腹板」で種類を判断できます。
胴体をぐるりととりまく体鱗の数を「体鱗列」と言いい、ヘビの種類によって範囲が決まっています。
腹板の数は脊椎骨の数とほぼ同じで、これも種によってその数の範囲は決まっています。

抜け殻から体鱗列と腹板の数を調べると、ヘビの種類が特定できるのです。
ヘビは個体差も大きく模様も変異型があるので、ウロコによる種類の判定は有効な方法です。

今回採取した抜け殻のウロコを数えると、体鱗列は19です。
このウロコの数はシマヘビの体鱗列の数に一致しますが、体鱗列数が19の種類のヘビが数種類いますので腹板や尾下板の数で調べます。
腹板195枚・尾下板80枚とシマヘビと一致しましたので、種類はシマヘビに確定です。

 

抜け殻の頭には、鼻の穴、目の膜がちゃんと残っている事がわかります。
目の膜もいっしょに脱皮するのには驚きます。


アオダイショウは脱皮の前兆として目が白くなります。
視界が失われるため脱皮まで動き回ることができません。

目の部分を更に注意して見ると、目の膜は凹型になっています。
これは、抜け殻が外側と内側が反転している(裏返しになっている)ことを表しています。
何故、抜け殻は反転・裏返しになっているのでしょう?
それはヘビが脱皮する時、頭から皮をめくるように脱いでいくので内外が反転してしまうのです。
イメージとしては魚肉ソーセージの皮をむく感じです。

 

ヘビの尾はどこ?
胴体全部が尾? 全部が胴体で尾は無い?

爬虫類や哺乳類はどこに尾が付いているか考えてみましょう。
「お尻から後ろ」「後脚から後ろ」に尾は付いています。
つまり、お尻の穴より後ろが尾になります。

ヘビのお尻の穴がわかれば尾がわかります。
ヘビのお尻の穴は「総排泄孔」と言い交尾器官も兼ねています。

抜け殻から、お尻の穴は「総排泄孔」を探してみましょう。
シマヘビは総排泄孔から後ろの腹板が2列になっているのですぐにわかります。

もしヘビの抜け殻を見つけたら観察してください。
抜け殻だけでも色々な事がわかります。
直接ヘビを触って観察することは難しいですが、抜け殻ならヘビ嫌いな人でも観察ができるのではないでしょうか。

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2 件のコメント

  • 初めまして
    濱本と申します、検索してましたら
    こちらにたどり着きました

    蛇が家に入り込んで困っています
    屋根裏で脱皮した抜け殻を見つけました
    種類等お判りになるのなら
    お教えいただけないかと思います
    お願い出来ないでしょうか?

    見て頂けるようでしたら
    写真をお送りしようと思います

    お返事いただけると
    助かります

    • メール頂きありがとうございます。
      メールの内容の家の中に入ってくるヘビで推察しますと“アオダイショウ”が考えられます。
      多くのヘビは自然の中で生活していますが、アオダイショウは人間に近い場所で生活しています。
      餌としているネズミの生息場所が人家と重なり昼行性であることが良く見かける原因です。
      人と共に暮らすヘビと言われ、家の守り神とも呼ばれたりします。
      天然記念物に指定されている山口岩国の白蛇もアオダイショウの白化したものです。
      本州最大のヘビですがおとなしいヘビです。
      ただ、以前に人間に危害を加えられた経験があると警戒心から攻撃的な個体も極稀に存在すると言われます。
      毒はありません。
      腹板の構造から木登りが得意で鳥の巣を見つけてヒナや卵を餌にしたりします。
      家の屋根裏で抜け殻が見つかったのであれば登ってきたと思われます。
      (アオダイショウは壁を垂直に真っすぐ上ることもできます。)

      お手元の脱皮した抜け殻の状態が良いのであれば、記事にも書きましたが体麟列を数えてみてください。
      アオダイショウは体麟が23列か25列になります。

      ヘビはその容姿から嫌われる人が少なくありません。
      何故、ヘビがそこにいるのか?
      それはヘビの暮らせる環境が整っているからです。
      食べる物があって住む場所がある。

      40年以上前の話です。
      わたしが小学生の頃に親が殺鼠剤でネズミの駆除をしたことがありました。
      暫くして、お腹の膨れたアオダイショウが縁の下で死んでいました。
      殺鼠剤で弱ったネズミを食べたことが原因だったと思われます。
      ネズミが暮らせない環境を作ってやればネズミは新たな場所へ移動し、餌となるネズミを求めてアオダイショウも移動したはずです。
      生き物たちが繋がっていることを小学生のわたしはアオダイショウから知りました。

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