花粉症 その3 | 花粉症は日本だけの病気 原因は何か 治療方法は

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花粉症は1964年に発見された日本特有の病気です。
それまでは花粉症のような症状があっても原因は特定されていませんでした。
花粉症はつい最近発見されたばかりの現代的な病気なのです。

原因となる花粉は、春はスギのほかヒノキやシラカンバ、春から秋はホソムギ、ナガハグサなどイネ科の植物、秋にはブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどがあります。
特にスギ花粉が原因となる花粉症を発症する人は年々増加しています。

スギ花粉症が増えたのは何故か・・・。

それは日本の植林が大きく関係しています。

スギの植林は江戸時代から行われていました。
大量にスギがあったのに江戸時代に花粉症が存在しなかったのは何故か。
それは建築資材としての需要と、植林による供給のバランスがとれていたからです。
樹齢30年を超えるとスギは花粉を飛散させますが、江戸時代には植林したスギが30年を越える前に伐採し建材として使用していましたから、樹齢30年を超え花粉を飛散させるスギが少なかったのです。

大東亜戦争によって焼け野原になった都市再建のために多くの木材が必要になり需要が増えます。
需要が増えた木材を供給する為に、国策として拡大造林計画が推進され各地でスギの植林が行われます。
その結果、日本の森林の40%ほどが人工林となり、そのうち43%がスギ林となります。
しかし、需要を見込んで植林したスギは建材として使われなかったのです・・・?
それは、建築技法の変化や、安い海外産の木材の輸入により、国産スギの価格が下落したことが原因です。
需要が無くなったスギは放置され30年を超えて花粉を飛散し始めます。
更に年月が経つことで人工林の43%を占めるスギが一斉に花粉を飛散する状態になりますから、花粉症は人によって創られた日本特有の現代的な病気と言えます。

スギの植林が少なかった、北海道・沖縄では花粉症のひどい症状が出にくいようです。
スギがない場所は、花粉症の症状がやわらぐのは事実で、韓国や台湾にはスギ花粉症自体が存在しないようです。


花粉症を発症してしまったらどんな治療があるのか

花粉症の治療には①薬物療法、②手術的療法、③免疫療法の3種類があります。

①薬物療法
薬(抗アレルギー剤)を使って症状を抑える方法です。
薬の服用をやめると再び症状が出ます。
花粉が飛んでいる期間中は、薬の服用を続ける必要があります。
薬の種類は、飲み薬、点鼻薬、点眼薬等があります。

②手術的方法
レーザーで粘膜を焼き付ける手術が代表的な手術です。
手術と言っても意外に簡単で、日帰りでできます。
しかし、複数回行わないと効果が出にくいことが多くあります。
入院して行う手術は、鼻の粘膜の炎症部分を切り取る手術や、鼻中隔の曲がりを矯正する手術があります。(全身麻酔をかけて行います。)

③免疫療法
花粉症の原因である花粉の成分を、薄い濃度から体に入れていき、体が徐々に花粉に慣れて過敏に排除しようとする反応を抑えていくという方法です。
免疫療法は、アレルギー性鼻炎治療の中で、唯一となる根本的な治療方法です。


最も期待できる免疫療法の現在

初期の花粉症治療として皮下投与による免疫療法がされていました。
注射によって花粉成分を皮下投与するため病院への通院が必要になります。
注射による痛みを伴うことや、アナフィラキシーなどの重篤な副作用の可能性があることから、患者も病院側も負担が大きく注射による皮下投与による免疫療法は減少していきます。
皮下投与の代替投与ルートとして舌下投与(SLIT)が研究開発されます。
2014年から一般治療として舌下免疫療法が開始されます。
当初は花粉舌下液を舌の下に入れる方法でしたが。
近年は花粉舌下液より使いやすい花粉舌下錠を舌の下に入れる方法に変わってきています。

参考文献
「Excite Bit コネタ」 2016年1月29日
「森林飽和:国土の変貌を考える」太田猛彦 NHK出版 2012年
「世界大百科事典:改訂版」平凡社 2005年
「スギ林はじゃまものか」山岡寛人 旬報社 2007年
「ニッポニカ:日本大百科全書」小学館 1988年


3ヶ月後に花粉症の季節がやってきます。
絶対に治らないことは知っていますが、花粉症シーズンが近づくと、もしかしたら治っているのではないかと毎年期待してしまいます。
でも、毎年花粉にやられて心が折れます。期待した自分がバカだったと後悔しながら目薬を差して薬を飲むと、つらい時間の始まりです。

しかし、今年は昨年とは違って確実な期待感があります。
なぜなら令和元年11月 25日(月)から耳鼻咽喉科で舌下免疫療法を始めたからです。
3ヵ月後が楽しみです。3ヶ月でどれくらいの効果があるのか確かめることができます。
舌下免疫療法は、花粉症のシーズンが終わった6月頃から始めることができます。そして12月初旬の開始が最終になります。
6月スタートが最長で約9ヶ月間の舌下免疫療法ができます。私は11月末からのスタートですからほぼ最短の約3ヶ月間の舌下免疫療法になります。
この最短期間の舌下免疫療法でどれだけの効果が出るのかがわかるのです。
花粉症シーズンのやってくる3ヶ月後までの間、わくわくしながら過ごしたいと思います。

わたしの舌下免疫療法の経過を記事にしていきます。
花粉症で苦しむ人に是非読んでもらいたいです。

花粉症 その4

花粉症 その4 | 舌下免疫療法を受ける 実際に行った舌下免疫療法の過程 

花粉症 その1 | 発症した42年前は誰も花粉症を知らなかった いつの間にか国民病になった花粉症 

花粉症 その2 | 国民病になった花粉症 いつか治ると思いながら42年が経ちました 自然に治ることは無いようです 

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