42年前のクーラーボックスを塗装します。
海水浴やキャンプにと活躍していたクーラーボックスです。
実家の物置にある、壊れてしまったIHコンロと餅つき機を車に積み、ゴミ処分場(環境センター)に粗大ゴミの持ち込み処分に行く準備をしていました。
処分費は持ち込んだゴミの重量で決まります。
車には積み込める余裕がありますので他のゴミを一緒に処分しようと見ていると、屋外に放置されてボロボロになった竹製の折り畳み椅子4脚を見つけ処分することにしました。
更にゴミを物色していてクーラーボックスを見つけました。
軒下のスチール棚の一番下で5年以上放置されていたと思います。
(物置の中に入れてあったのですが、いつの間にか場所が変わり日光と風雨によってかなり劣化しています。)
一瞬処分しようとも考えましたが、キレイにすればまだまだ使えそうに思い塗装することにしました。
現物です。
ピーコック魔法瓶工業株式会社孔雀印 クールボックス IC32、1978年(昭和53年)に発売された商品です。
10年ほど前まではキャンプで活躍していましたが、使う機会も無くなり放置されていました。
プラスチックは、日の当たった部分が退色し劣化によってボロボロになっています。
手で触ると粉状なって表面が剥がれます。
しかし、その部分以外はそれほど悪い状態ではありませんから塗装をして使えるようにします。
塗装後のクーラーボックスです。
塗装の手順を解説します。
分解
作業がやり易いように分解をします。
蝶番を外し、各部を固定しているネジを外して分解します。
取っ手を外そうとしましたがネジが錆付いて外れなかったので、そのままにします。
洗浄
フタと本体の洗浄をします。
硬めのナイロンブラシで汚れとボロボロになって剥がれるプラスチックの表面を落としていきます。
日が当たってボロボロになった部分は一皮剥けた感じです。
乾燥したらマスキングテープを塗装しない部分に貼ります。
クーラーボックス下は見えないので塗装しないことにしました。
元々の色がわかりますし。
乾燥後も日の当たっていた部分は表面が剥がれて粉になって落ちてきます。
手のひらで擦ると粉が付きます。
表面の溶剤処理
塗装に入る前に、粉が落ちる表面の対策をしたいと思います。
サンドペーパーで表面を削ることも考えましたが、溶剤を使って表面を溶かしてみることにします。
有機溶剤のアセトンを塗装のように刷毛で塗って様子を見ます。
本体は予想していたより解ける感じではありませんでしたが、3回ほど繰り返し刷毛でアセトンを塗り込むと手で擦っても粉の出る量が少なくなったので塗装したいと思います。
フタの部分は溶剤に弱い材質のために軽く塗ります。
材質によって有機溶剤で溶けてしまいます。
目立たない所に少し塗って確認してから作業してください。
下塗り
プラスチックへ下塗り無しで塗装すると、油性塗料の場合はプラスチックが溶けてしまいます。
水性の場合は塗装後に乾いた塗料が剥がれてしまうことがあります。
これらの問題を解決するのが下塗りです。
アサヒペン プラスチック用プライマーを使用します。
300mlスプレー缶入り1000円程度で購入できます。
これは、下塗り用アクリル樹脂塗料で各種下地との密着性に優れたアクリル樹脂を使用した下塗り用塗料です。
プラスチック用プライマーを下塗りすることでプラスチックへの塗装ができるようになります。
各種プラスチックに下塗りすることにより、塗料が密着するようになります。
上塗りには、ラッカー・油性塗料・水性塗料が使用出来ますから、ほぼすべての塗料が使えます。
ポリプロピレン、ナイロン、ABS、FRP、硬質塩ビ、アクリル、PETなどの下塗り用です。
ポリエチレン、ポリスチレン、発泡スチロール、ポリアセタール、ポリカーボネート、メッキ面 には適しません。
標準塗り回数は1回ですが、スプレーの吹き付けムラを無くすために2回塗りします。
塗膜の仕上がりは透明です。
塗装
塗装をします。
下塗りをすることで油性塗料も使用できるようになりましたので、ニッペホームペイント 油性 金属光沢シルバー 鉄部・建物・トタン用を塗ることにします。
0.2L缶入りで700円程度で購入できます。
クーラーボックスの表面は模様がほどこされています。
日の当たった表面は荒れた状態でざらついていますから、刷毛塗りをしたいと思います。
スプレー缶の塗料よりも、安価な0.2Lの缶入り塗料を使用します。
夏場の乾燥時間は4時間、冬場は8時間ですからしっかりと乾燥をさせて2回塗りをします。
補修
分解して容器内部の発泡スチロールが破損していることがわかりましたので、補修します。
組み立て
分解時に取り外した蝶番や固定ネジを取り付け組み立てます。
完成です。
シルバーに塗り替えたことで、重厚感と高級感が出ました。
大きなアルミケースのようです。
最近の地上波で放送されているキャンプ番組やキャンプアニメ・キャンプドラマ、YouTubekのキャンプ動画を見ていたら久しぶりにキャンプに行きたくなってしまいました。
復活したクーラーボックス、活躍の予感がします。
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