ヒグラシ(日暮、Tanna japonensis)は、カメムシ目(半翅目)・セミ科に属するセミの一種です。
中型のセミで、朝夕に甲高い声でカナカナ、カナカナと鳴きます。
成虫の体長はオス28-38mm、メス21-25mmほどです。
オスの腹部はメスよりも太くて長いのでオスメスの区別がつけ易いです。
オスの腹腔内は大きな共鳴室が発達しているためほとんど空洞で光が透けるほどです。
体色はほとんど赤褐色だが、頭部の複眼附近、前胸の縁と背面中央は緑色をしています。
(標本にすると緑色は茶色くなってしまいます。)
体色は個体群によって変異することがあり、山地のものはより黒っぽくなる傾向があります。
ヒグラシの成虫の寄生虫としてセミヤドリガというガの一種が知られ、成虫の腹部に1匹-数匹の蛆虫型のセミヤドリガの幼虫が外部寄生していることがあります。
日本では北海道南部から奄美大島と、ほぼ全国の範囲に生息しています。
日本以外では中国大陸に分布していますが朝鮮半島には分布ていません。
広葉樹林やスギやヒノキの林に生息し、北海道から九州北部では平地から山地まで見られるが、九州南部以南ではやや標高の高い山地に生息しています。
成虫は梅雨の最中の6月下旬頃から7月にかけて発生し鳴き始め9月中旬頃まで鳴き声を聞くことができます。
オスの鳴き声は甲高く、「キキキキキ…」「ケケケケケ…」「カナカナカナ…」などと聞こえる。
標準的な聞きなしとしては「カナカナ」が使われます。
日の出前・日の入り後の薄明時によく鳴くが、曇って薄暗くなった時、気温が下がった時、または林内の暗い区域などでは日中でも鳴きます。
夕方の日暮れ時に鳴くことから、「日を暮れさせるもの」としてヒグラシの和名がつきました。
採集データ
採集日・ 2002年7月30日
採集地・鹿児島県 頴娃町
撮影データ
カメラ・OLYNPUS TG-3
撮影モード・フォーカスBKT(撮影枚数30コマ・標準)、LED発光、露出補正0.0、WBオート、ISOオート、3200×2400(4:3)
画像編集ソフト・CombineZM、PaintShop Pro X8
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