わたしが小学校低学年の1970年代後半の9月1日は、夏休みが終わって残った宿題をどうしようかと悩みながら登校をする始業式と避難訓練をする防災の日でした。
始業式が終わり、教室で宿題を提出すると (ひとまず今日持ってくるの忘れましたと言って先送りにします。) 避難訓練が始まります。
全校放送で東海大地震が発生しましたと流れ、全員が机の下に身を隠して安全を確保します。
教室から全員が校庭に集合して人員を確認して全員の無事がわかれば訓練終了です。
このまま帰宅するのですが、ここからが我慢です。
真夏の炎天下の屋外で、校長先生の話が始まります。
「わたしたちの住んでいるこの地方に大きな地震が来ます。」
わたしは子供ながらに〝ヤバイじゃん。〟と思います。
校長先生は続けて「30年の間に地震がやってきます。」
でもこれを聞いて・・・、どうしたらいいの?30年て長過ぎじゃん。今、地震来るの?明日?30年後に地震来るの?ヌムム・・。
余計に暑くなった気がして帽子の脇から落ちる汗を手で拭いながら、夏の日差しで陽炎の立つ鉄製の朝礼台で話をする校長先生をボーっと眺めていたことを思い出します。
都市直下型地震が東京で発生した場合の、ドラマがNHKで放映され、地震への対策や準備、地震発生後の対応についてアナウンサー・タレントと学識者が話をしていました。
地震はいつ起こっても不思議ではないので国民の皆さんは準備しておいて下さい。
もし東京で地震が起こったらドラマみたいになります。
怖いでしょ、だから地震対策をみんなでしてください。
・・・エッ。
小学生低学年の頃から東海大地震が〝30年の間に70パーセントで発生する可能性がある。〟と言われていました。
1978年に東海地震はいつ起きてもおかしくないと「大規模地震対策特別措置法」(大震法)が成立しました。
でも、いまだに東海大地震の予知はされず、日本国中でいつ地震が起こるかわからないと予知もできないのに範囲は広がっています。
地震予知ができることを前提に「大規模地震対策特別措置法」(大震法)が作られたことで税金がどんどん注ぎ込まれ、成立以来41年間で2000億円近い税金が「地震予知」研究に使われてきました。
あれから40年以上が過ぎましたが、東海大地震は発生していません。
しかし、40年の間に別の場所で大きな地震は起きています。
1983年日本海中部地震(死者104人)
1995年 阪神大震災(死者・行方不明者6437人)
2011年 東日本大震災(死者・行方不明者約2万2000人)
2017年 熊本地震(死者282人)
これらの他に、マグニチュード7.0以上、またはマグニチュード6.0以上で日本国内で最大震度6弱以上、または死者・行方不明者1人以上のいずれか1つ以上に該当する地震は、「大規模地震対策特別措置法」(大震法)ができた1978年から2019年6月の間に101回発生しています。
2000億円の税金を使って101回の地震を40年間1度も予知できません。
そして101回の地震で2万9335人の命が失われました。
この40年間の結果から地震発生の直前予知は出来ないことがハッキリとしました。
地震学の知見からも「確度の高い発生予測は困難」とされています。
地震を予知するのではなく、何時起こるかわからない地震対策に税金を使って国民の財産と命を守る「大規模地震対策特別措置法」(大震法)に見直す時期が来たように思います。
何だかこの構図は、地球温暖化対策に似ています。
温暖化対策 二酸化炭素削減と省エネ 1970年代 わたしが小学生の頃は氷河期が来るって信じていました
こちらの記事と読み比べてください。
わたしたちが選挙で選んだ国会議員が国会で決めたことだから、間接的にわたしたちが決めたことなのでしょうが納得できないことばかりです。
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