夏に子供は虫捕りに行きカブトムシを捕まえるとスイカを与えたりして飼育します。 ホームセンターやペットショップでカブトムシを購入して昆虫ゼリーを与えて飼育します。
私は小学生の頃毎日虫捕りをしていました。(もう40年以上昔のことです。)カブトムシやクワガタムシが捕れた時の感動は今も変わっていません。環境が良くなったのか、採集する方法や時間帯が良いのか、私の住む場所でもカブトムシが多く取れるようになったと思います。
私は畑でカブトムシを取ります。畑にプラムの木があり収穫前に落ちた実を一箇所に集めておき、夜に見に行くとカブトムシが来ています。(50過ぎのオッサンになっても捕れた時はとてもうれしいです。)一夏で30匹程捕ったことがあり、大きな衣装ケース2つで飼育していました。
カブトムシは短命です夏が終わる頃には死んでしまいます。天寿を全うしたカブトムシを土に戻してあげたり、ゴミ箱に入れてしまうのは忍びない。そこで死んでしまったカブトムシは標本にしてあげましょう。乾燥標本は虫に食われないように防虫剤を入れ定期的に交換すれば、大変長い間保存ができます。日本で最も古い昆虫標本は200年前の江戸時代に作られたものが存在します。当時は防虫剤もありませんから状態はあまり良くないですが。
それでははじめましょう。今回は、昆虫をマチ針で固定する方法です。まず必要な道具を準備します。身近にある物を使って作ります。
①発泡スチロールのトレー(カブトムシがはみ出さないサイズの大きさ)
②マチ針(家にある物でもいいですが100円ショップ等で購入したほうがいいと思います。50本位は必要です。)
③昆虫針(一番手に入らない物です。昆虫博物館では販売されていますが、ネットショップ等で購入するのが良いでしょう。)昆虫針を使用する目的はカブトムシの固定です。標本を作る時は一番最初に右側の羽に刺しそのまま貫通させ発泡スチロールのトレーに固定します。標本が出来た後は標本箱への固定に使います。今回は標本針を使わずに標本箱へ固定する方法も解説します。
④ピンセットは展足の時に足や触角をつまんで引っ張ってマチ針で固定するときに使います。
⑤死んでしまったカブトムシ(死にたてがベストです) 。死んでから時間が経つと腐敗が始まり異臭を放ちます。(腐敗とは腐ること、じゃあ腐るって? ) 角を摘んで持ち上げた時に関節が伸びきってデローンとなっててしまったカブトムシを標本にする場合は覚悟してください。かなりの臭いがします。
乾燥してしまってカチカチになったカブトムシは軟化させることで形を整えて標本にできますが、その方法は 昆虫標本の作り方4 軟化方法 を参考にしてください。
道具が揃ったら作り始めましょう。
カブトムシが汚れているようであれば、 昆虫標本の作り方5 昆虫をきれいにするを参考にきれいにしてください。
①カブトムシの右羽に昆虫針を刺し、ひっくり返した発泡スチロールトレーにカブトムシを固定します。
昆虫針がない場合は、発泡スチロールトレーにカブトムシを乗せてマチ針を使って固定します。
②マチ針でカブトムシの足や触角の位置を固定します。足はピンセットでつまんで伸ばしたり、マチ針の先に爪を引っ掛けて伸ばしたりしながら位置を調整して固定していきます。
はじめに頭や胸、羽(腹)の位置を固定し足を引っ張っても動かないようにします。
次に足を伸ばして固定します。
触角をピンセットやマチ針で引き出して固定します。
③日陰の風通しの良い場所で10日間位乾燥します。
④十分な乾燥が出来ると固定したままの形に固まりますので、固定に使った針を取ります。
⑤箱に入れて標本の完成です。下の標本箱はボール製標本箱の小型です。1500円前後で販売されています。
木製の標本箱は密閉性が良いですが価格が高いです。簡易のボール製標本箱は密閉性に劣りますが低価格です。
100円ショップで購入できる箱やケースも使えるものがありますので探してみてください。
これは、ダイソーで購入したものです。
標本箱は底がウレタンフォームになっていますからそのままでも昆虫針を刺すことが出来ます。
標本箱以外の箱やケースを使う場合は、発泡スチロール板や食品トレーを切って重ね合わせたものを底に貼り付けて昆虫針が刺せるようにすると良いです。
昆虫針を使用しない場合も食品トレーを切って重ね合わせ高さを調整したものをカブトムシの腹に接着剤で貼り付け、乾いたらカブトムシの腹に着けた食品用トレーに接着剤を着けて箱に固定します。
捕った場所・捕った日・捕った人のデーターを付けると良いでしょう。
箱の中に衣類用の防虫剤を入れておくと標本を食べる虫(カツオブシムシなど)の進入を防ぐことができます。
昆虫針を使用した場合はカブトムシが標本箱で回転してしまうことがありますから、回転防止の昆虫針を刺すことをお勧めします。
完成です。
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