オリジナル商品を作る 2 | なぜなぜを繰り返して簡単に作る方法を探す 道具・材料を見直す セットの内容を決める パッケージをデザインする 

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中年ブロガーの〝なかなか〟です。
40代後半に個人事業主として開業をし、オリジナル商品『樹脂封入標本作成キット(BASEショップで販売中)』の製作と販売をするCSラボラトリーズの代表もしています。

わたしが、商品開発をして個人事業主になった過程を書きたいと思います。

  1. オリジナル商品を作る。
  2. 事業資金の調達(補助金の申請)をする。
  3. 個人事業主の申請をする。

この3項目に分けて記事にしていきます。


①オリジナル商品を作る。その2

樹脂封入標本を簡単に作ることが出来るセットを作ります。

中年オヤジが個人事業主になって仕事を作る  |  オリジナル商品を作る 1

従来の方法で作る工程の無理や無駄を無くして簡単に作る方法を探します。
時間と労力を使う封入後の樹脂の切断と樹脂表面の研磨作業を無くす方法を考えます。
この作業が無くなったら樹脂を作って流し込んで固まったら完成です。
どうしたら無くすことができるのか。QCサークル活動で使用するQC手法の一つなぜなぜをしてみます。なぜなぜとは、なぜなぜ解析のことです。
トヨタ自動車の工場などで実践されるトヨタ生産方式の改善活動で、問題に対する対策の効果を検証する手段として使われています。
問題を引き起こした要因(『なぜ』)を提示し、さらにその要因を引き起こした要因(『なぜ』)を提示することを繰り返し、その問題への対策の効果を検証します。

なぜなぜ分析の方法

  1. 問題点を書き出す。
    問題点は絞って『なぜ』が論理的に続くように注意します。その問題が発生する要因を1回目の『なぜ』で全て書き出す。要因は問題と論理的なつながりがなければなりません。
  2. 1回目の『なぜ』で書き出した全ての要因が発生する要因を更に2回目の『なぜ』で全て書き出す。
    要因は問題と論理的なつながりがなければなりません。
  3. 2回目の『なぜ』で書き出した全ての要因が発生する要因を更に3回目の『なぜ』で全て書き出す。
    要因は問題と論理的なつながりがなければなりません。
  4. 同様にして、4回目・5回目…の『なぜ』の提示…を繰り返していく。

繰り返しを止めるのタイミングは、真因に辿り着いたと判断できた時になぜを止めます。
書き出された全ての要因が真因に辿り着くとなぜなぜ分析は終わります。
真因に辿り着かない回避不能な要因は繰り返しを止めます。

 

それでは実際に、なぜ樹脂を切断するのか?なぜ研磨するのか?を問題点として解析してみましょう。

樹脂封入標本の作製で最も労力と時間のかかる切断作業と研磨作業を問題としてなぜなぜ解析をすると、切断をするから研磨をすることが明らかになりました。切断作業が無くなれば研磨作業が必要なくなります。
100円ショップで販売されているタッパーの使用を止めて、切断の必要が無い大きさと形状の容器を使用することで問題が解決することが論理的にわかりました。

樹脂を流し込んだ容器をそのまま使うことが出来れば、樹脂が硬化すればそのまま樹脂封入標本が出来ます。新たにそんな容器を探して使用することにします。
いままで使用していたポリエステル樹脂は容器の材質によっては溶かしてしまうことがあります。高価ですがエポキシ樹脂の使用も考えて容器に合わせて樹脂の選定もします。

樹脂に封入する標本の大きさが決まっていないと容器の大きさも決まりません。
商品のセット内容をイメージしておきます。

コンセプト

『 初めてでも樹脂封入標本が簡単に作れるセット 』

セット内容 (2つの樹脂封入標本が作れる)

  • 樹脂封入に必要な道具一式
    樹脂を計量する道具
    樹脂を攪拌する容器
    樹脂を攪拌する道具
    樹脂を取り扱う時に使用する保護手袋
    標本を取り扱う時のピンセット
  • 必要な材料一式
    樹脂
    樹脂封入容器
  • 封入する標本
    動物標本
    植物標本

道具と材料・標本は簡単に作ることを意識した物とする。また、安価な物で安定して入手できる物とする。
それではこの条件を満足する道具・材料・標本を探して、試作をしながら決定していきます。

最初に封入標本を決めます。動物と植物で探していきます。
動物標本は当初昆虫を考えていました。しかし、安定して入手できる物がありません。ネット等で購入できる昆虫は主にカブトムシ・クワガタムシの生体が多く価格も高いです。未展足の昆虫標本も販売していますがメインはカブトムシ・クワガタムシや蝶々で高価です。特定の昆虫を採集で、まとまった数を入手するのは大変に難しいです。
安く手に入ってそれなりに見栄えのする動物を探します。
昆虫のように乾燥標本になる動物は節足動物です。節足動物は昆虫・クモ・甲殻・多足の類になります。
これらの中で安く手に入れることが出来る動物はエサとして売られているものです。エサとして販売されている動物は安く安定して供給されています。
例えば、爬虫類や魚類のエサとしてコオロギ・ミルワーム(ゴミムシダマシの幼虫)・ザリガニ等が売られています。

魚釣りのエサとしてカニが売られています。カニは安価で安定して入手が可能で、節足動物の甲殻類ですから乾燥標本になります。
カニは見栄えも良く馴染みのある生き物ですから、実際に購入して乾燥標本を作って検証してみます。

ネットショップで30匹を購入しました。サイズは多少のバラツキがありますが2~3Cmの大きさです。形を整えて真空凍結乾燥と自然乾燥によって標本にします。
安くて安定した入手が出来て見栄えもする標本を作ることができました。動物標本はカニにします。

植物標本は、自宅の庭にある植物を使って葉脈標本を作ることにします。3Cm程度の大きさの葉をつけた植物を何種類か採取して葉脈標本を作って評価します。
作り方も色々な方法で行って最適な作成方法を確立します。何度も何種類も試作を繰り返して葉脈標本を作ることが出来ました。植物標本はこの葉脈標本を使うことにします。
サルナシ(シラクチカズラ・シラクチヅル)とショウゾウソウ(サマーポインセチア)を葉脈標本にします。

このカニと葉脈標本の標本が入る容器を探します。
アクリル製の透明容器がサイズの種類も豊富で安価で安定した入手も出来ます。
カニと葉脈標本の収まる大きさのアクリルケースを使って試作をしてみます。あわせて樹脂の試験もします。樹脂は6種類のエポキシ樹脂を評価します。
何度も試作と試験を繰り返して、最も良い大きさのアクリルケースの選定が出来ました。また、樹脂も体積比の2対1で樹脂と硬化剤を混合し攪拌時に巻き込んだ気泡の抜けがよい樹脂も見つかりました。

セットで使用する標本と材料が選定できました。
次に、道具を選定します。

樹脂を計量する道具 → 重量ではなく体積で計量を行えるようにシリンジを使用します。
樹脂を攪拌する容器 → 安価で使い捨てができる紙コップを使用します。
樹脂を攪拌する道具 → コーヒーなどをかきまぜる木製のマドラーを使用します。
樹脂を取り扱う時に使用する保護手袋 → ゴム製かビニール製の手袋を使用します。
標本を取り扱う時のピンセット → 樹脂製のピンセットを使用します。

全てが入るケース・箱を作ります。
パッケージメーカーでダンボール製の箱を特注で作成します。
こんな感じで全てが収まります。

パッケージデザインと小冊子の作成をします。
イラストレーターを使用して作ります。作り方は別の記事で解説します。

これで全てが揃いました。

完全なオリジナル商品が完成しました。

販売はBASEで行います。
BASEショップへの出店方法は ネットショップBASE | 出店の手順をわかりやすく解説 を参考にしてください。

 

 

 

 

 

 

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