オイルショックと省エネ 1970年代あと40年で石油が無くなる。40年経った2010年あと40年で石油が無くなる。????

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1997年京都議定書が採択されてから温暖化対策として温室効果ガスの削減、二酸化炭素排出量の削減を政府主導で推し進めました。
これより20年以上前に日本の企業は似た取り組みをしていました。
1973年の第1次オイルショックです。
政府が「石油節約運動」として、国民に日曜ドライブの自粛、高速道路での低速運転、暖房の設定温度調整などを呼びかけました。
また第2次オイルショック後、政府はエネルギーの安定的な供給を確保することが国の将来を左右する最重要課題であると改めて位置づけます。
石油の安定的な確保を図るために、1973年「石油需給適正化法」を制定。
1975年「石油備蓄法」を制定し、民間備蓄を法的に義務付けた。
貴重な資源である石油を大切に効率的に使う、「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」を1979年に制定。
エネルギー源の多様化を進め石油依存率を下げる、「石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律(代エネ法)」を1980年に制定。

この頃、NHK等のテレビ局は石油は後40年で無くなると報道していました。
石油は限りある資源で40年間で無くなる、だから節約をして省エネに取り組もうと繰り返し繰り返し国民に訴えていました。

当時、小学生だったわたしは何の疑いも無く信じていました。
子供ながらに真剣に考えたりもしました。
石油を使った発電から火山国の日本は地熱を利用した発電を増やして脱石油と自然エネルギーの活用をするべきだと、6年1組4班のグループ日記にも図解付きで書いたことを覚えています。

それから40年後の2010年にも、NHK等のテレビ局は石油は後40年で無くなると報道しています。

石油はどれくらいあるのでしょうか?
いったい石油はいつ無くなるのでしょうか?
40年経っても石油はなぜ減っていないのでしょうか?
本当の事は誰が知っているのでしょうか?

地球にある石油の量の基本的な考え方は、生物の活動にあります。
地球が誕生してから、どれだけの生物が生まれて死んだのか。
これが石油(化石燃料)の量になります。

地球は宇宙で起こったビックバーンによって何も無い空間に、水素・炭素・酸素・シリカ・鉄の元素が出来たことで誕生します。

酸素の性質上、他の元素と結合をして
酸素+水素→H2O 水(海)
酸素+炭素→CO2 ガス(大気)
酸素+シリカ→ SIO2(土・地殻)
鉄→マグマ
地球を形成している元素にります。
この結合によって酸素だけの量が少なくなります。
しかし、酸素は地球を形成する元素の中に取り込まれる形で存在し絶対量は変わりません。

誕生したばかりの地球は大気の95%が二酸化炭素(CO2)になります。
二酸化炭素が多かったことで生物が誕生をします。
誕生した生物は二酸化炭素を分解して、炭素使いを不要な酸素を放出します。
生物は95%あった二酸化炭素を使用して作り出した炭素を使って、大きくなったり数を増やしていきます。
地球上に生物が育ち増えることで95%あった二酸化炭素は0.04%まで減ります。
不要な酸素は放出をし21%まで酸素は増えます。
二酸化炭素は、生物に姿を変えた炭素と酸素になったのです。
炭素で出来た生物が更に姿を変えたものが石油や石炭等の化石燃料なのです。
地球誕生から現在に至るまでの6億年の間に生まれて死んでいった生物の数から算出することで石油(化石燃料)の量がわかるのです。
単純な資源計算でも石油は600~2000万年の量があります。

地球上に生存している生物(炭素)の数(量)は6億年前から大体変わっていません。
様々な生物がいますから、全ての生き物を一旦人間に換算をします。
人間の大きさで換算すると300億人になります。
更に、人間の資源消費量は人間以外の生物の50倍になると言われますから、先ほどの300億人を50倍で割込んで平均的な生物数に再度換算すると
人間=300億人は平均的な生物=6億匹になります。
この6億匹の1万分の1程度が地下の石油(化石燃料)になったとして、人間の消費資源に換算すると36兆匹が地下に存在することになります。
現在の世界の人口60憶人が石油を使用しても6000年以上の石油(化石燃料)があることになります。
この計算は中部大学総合工学研究所特任教授 武田邦彦先生が行ったものを、おおざっぱに表したものです。
科学者が科学的に計算すると石油はたくさんあります。

それでは何故石油は40年でなくなると言われているのでしょうか?
そして40年経っても石油は無くなることも減ることなく、40年前と同じように40年で石油が無くなると言うのでしょうか?

先ほどの計算で石油は6000年以上地球にあるはずです。
それなのに40年で石油は無くなる・・・。
これは、伝え方に問題があります。
「石油は40年で無くなる。」のではなく「今現在、使うことができる石油は40年で無くなる。」が正しいのです。
今現在の技術と費用面から使用できる石油の量が40年しかないと言っているのです。
今の技術では取り出すことができない石油。
今の技術で取り出すことはできるが費用面で現在の石油価格では採算が合わない石油。
使うことができない石油5960年分はゼロになっているのです。

つい最近までアメリカのシェールオイルが技術的に取り出すことができずに使うことができない石油でした。
しかし、技術的に取り出すことが可能になり採算が合うようになってシェールオイルは使うことができる石油になります。
こうやって年月とともに技術が進化をして今まで使うことができなかった石油が使えるようになる。
使える石油が増えることで40年で無くなる石油は40年経っても無くならない。
アメリカはシェールオイルが使えるようになったことで、世界第一位の石油生産国になりました。
にもかかわらず相変わらず石油は40年で無くなるのです。
石油が無くなると言うニュースは報道されます。しかも決まって40年で・・・。
でも、石油が増えたり石油が無くならないと言うニュースはテレビでは放送されません。

経済産業省 資源エネルギー庁のHPにはこのように書かれています。

世界の石油確認埋蔵量は、2016年末時点で1兆7,067億バレルであり、これを2016年の石油生産量で除した可採年数は50.6年となりました。
1970年代のオイルショック時には石油資源の枯渇が懸念されましたが、回収率の向上や新たな石油資源の発見・確認により、
1980年代以降は、40年程度の可採年数を維持し続けてきました。
近年では、米国のシェールオイル、ベネズエラやカナダにおける超重質油の埋蔵量が確認され、可採年数は増加傾向となっています。

もしテレビで報道されることがあれば「石油はあと50年で無くなる。」と変わっているはずです。
もし報道されればですが。
テレビやマスコミは都合の良いところだけを都合よく報道し、都合の悪いことは都合よく報道しません。
報道の自由は報道しない自由でもありますから。

温暖化対策 二酸化炭素削減と省エネ 1970年代 わたしが小学生の頃は氷河期が来るって信じていました

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