キャンプがレジャーから日常生活に「ノマドランド」が日本で現実になる?

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わたしがキャンプをしていたのは、90年代の第1次キャンプブームと言われていた頃でした。

90年代の第1次ブームのときキャンプ人口が最も多かったのは1996年の1,580万人と日本オートキャンプ協会がデータを出しています。
わたしも1996年にキャンプをしていた1,580万人の1人でした。

90年代はRV車や4WD車の人気が高まり、車が移動手段から趣味・レジャーの領域に大きく関わるようになっていきます。
RV車や4WD車の人気と連動するように、オートキャンプ場が増えていきます。
車とキャンプを融合したオートキャンプが第1次キャンプブームの始まりでした。

また、1992年から週休二日制を取り入れる企業が増えたこともキャンプブームを後押ししました。
RV車や4WD車でオートキャンプ場に向かい、自然の中でテントに泊まって連休を楽しむスタイルが確立されます。
また、この頃にバブルが終わり都会での遊びから、自然と触れ合う過ごし方へと移行していったとも言われています。

わたしがキャンプをしていたその当時は、RV車や4WD車に沢山の荷物を積み込んでキャンプ場に行っていました。
当時のテントは骨組みがスチール製で重く、収納サイズも大きなものでした。
折畳みの机や椅子も、今のようなコンパクトなものはありませんでしたし、フレームはスチール製が主流でした。
RV車や4WD車は重い荷物を沢山載せることができるのが重要なポイントでした。
今は、アルミフレームの椅子や机、カーボンフレームのテントと軽量コンパクトになり、
スクーターにキャンプ道具を積んで一人でキャンプに行くことができます。

2015年頃から第2次キャンプブームが始まったと言われています。
2017年のキャンプ人口は840万人でした。
90年代の第1次キャンプブームのキャンプ人口の半分ほどですが、日本オートキャンプ協会は2015年から年間1泊以上のキャンプを行ったキャンプ人口は5年連続で増え、今後さらにキャンプ人口は増加すると予測しています。
キャンプ動画の投稿数や再生回数を見てもブームだということがわかりますから、これからしばらくはキャンプ人口が増えると言えます。

現在、キャンプを楽しんでいる人の平均年齢は42.7歳です。
この世代は30年前の第1次キャンプブームに親とキャンプを楽しんだ子供たちです。
子供の頃に親とキャンプを楽しんだ世代が家族を持ち第2次キャンプブームで自分の家族とキャンプを楽しんでいます。
キャンプ人口は日本の人口比率と連動し変化をしていると言われます。
キャンプを楽しんでいるのは、第1次キャンプブームの時も第2次キャンプブームの今もファミリー層が中心です。

第2次キャンプブームでは第1次キャンプブームの時には無かったキャンプのスタイルが登場します。
ひとりで楽しむ「ソロキャンプ」。
SNSなどで参加者を募り自由に集まり自由に解散する、小さなテントが数多く集う「部族キャンプ」。
キャンプ場ではなく野山をフィールドとする、よりハードな「野営」や「ブッシュクラフト」。
多彩な方向に展開をしながらキャンプ人口が拡大しています。

レジャーとしてキャンプを捉えているわたし達ですが、何年か先に車やテントでの生活が日常になるかもしれません。
車で生活をし仕事を求め移動をしている車上生活者の映画がアカデミー賞にノミネートされました。


2021年2月19日にアメリカで、同年3月26日には日本でも公開された映画「ノマドランド」。
監督はクロエ・ジャオ、主演はフランシス・マクドーマンド。
2008年のリーマンショックによる経済危機が全世界を襲い、その影響で多くの人達が家を手放すことに、家を失った人達はは自家用車で寝泊まりし、働く口を求めて全米各地を動き回る。
専門職の経験があったとしても、それを活かせるような職がほとんどなく、安い時給の肉体労働しかない。
そんな不安定な状況下で車で生活をする「現代のノマド」の実像を描き出した作品が「ノマドランド」です。

日本でも、地震や水害よって家を失った人達が多くいます。
更に、コロナウイルスの為に職を失い経済的に困窮し家賃や住宅ローンが支払えず住処を無くした人達もいます。
このように日本は「災害による被害」「経済の縮小」そして「世界一の高齢者大国」とアメリカ以上の問題が山積している現状です。

日本が「ノマドランド」のようになるとは思いません。
しかし、可能性はゼロではありません。
わたしも、今の生活を維持するための収入が途絶えた時、ノマドランドの住人になる可能性は限りなく100%に近いのです。

屋外でのキャンプ生活がレジャーではなく日常生活にならないように出来ることはあるのか?
わたし達の子供や孫がよりよい暮らしを送ることができるために、わたし達はこの国の未来について何をしたら良いのか?

野外生活をレジャーとして楽しむキャンプが出来る日が続くことを信じています。

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