新型ウイルスに感染すると肺炎を発症し死亡に至るケースが増えていることから新型肺炎とも呼ばれています。
新型ウイルスに感染をしても肺炎を発症しないと重症化することは少ないようですが、肺炎を発症すると重症化し死亡率が高くなります。
肺炎はよく聞く病気ですが、どんな病気なのでしょう?
調べてみます。
肺炎の原因
器官から入った細菌やウイルス類が肺に到達し肺が炎症をおこす病気が肺炎です。
原因となる菌やウイルスはさまざまで、その中でも一番多くみられるのが肺炎球菌です。
インフルエンザのようなウイルスや、クラミジアなどの微生物でも発症します。
マイコプラズマ、ストレプトコッカス、黄色ブドウ球菌も原因です。
本来食道へ通るはずの食べ物が誤って肺へ流れてしまい、肺が炎症をおこす肺炎を誤嚥性肺炎と言います。
高齢者は食べ物や飲み物を飲み込む力が衰えているために飲食物や唾液が気管に入り、含まれていた細菌から誤嚥(ごえん)性肺炎を発症しやすいです。
特に体力が低下して免疫力が落ちている時に感染しやすく、抵抗力の弱い幼児や年寄りは感染しやすいです。
糖尿病などの慢性疾患を持つ患者は発症しやすいので気をつける必要があります。
冬になると空気が乾燥して細菌やウィルスの活動が活発になって感染のリスクが上昇します。
細菌やウィルスは空気感染することが殆どで、体の抵抗力が弱った状態だと普通に生活しているだけで肺に感染します。
特にインフルエンザから発症する場合もやはり免疫力の低下が原因です。
肺炎による年代別の死亡順位
肺炎による死亡順位は全年齢の赤丸○第4位になります。
年齢別では赤枠□、1~4歳の子供の死因第4位・65~84歳の高齢者の死因第4位・85~89歳の高齢者の死因第3位・90~99歳の高齢者の死因第2位の疾患です。
この死因順位はH21・厚生労働省の発表データです。
9年前のデータからも肺炎は子供や高齢者の死亡順位の高い死因だったことがわかります。
免疫力と年齢
発症原因として大きく関係する免疫力のグラフです。
免疫力はピークの20歳を100%とすると子供や高齢者は30%以下になります。
免疫力が30%を下回ると肺炎を発症しやすいことがわかります。
肺炎の症状
主な自覚症状としては、咳、痰、全身倦怠感などです。
微熱が出て疾患に気付くことが多いのですが、発熱のないこともあります。
重篤な場合は高熱が出ます。
呼吸数が増えたり呼吸困難がみられる場合は要注意です。
肺炎の検査と診断
聴診を行い肺炎に特徴的な雑音があるかどうかを確認します。
肺炎の検査方法は画像検査、血液検査、喀痰(かくたん)検査の3つの種類があります。
必要に応じた検査を行い治療を開始します。
早期に治療を開始することが重要になるため、まずは画像診断による肺の状態を確認する検査を行います。
次に血液検査によるタンパクの量、赤血球の沈降速度を計ることによって炎症のレベルを確認します。
喀痰(かくたん)検査は原因菌の特定のために行われます。
肺炎の治療方法
肺炎の治療法は、基本的には薬剤の投与によって行われます。
抗菌薬を投薬することによって、病原菌を死滅させることによって治療を行います。
抗菌薬は細菌の細胞を破壊することで効果を発揮します。
しかしウイルスには細胞がありませんから抗菌薬抗はまったく効きません。
個々のウイルスに効果のある抗ウイルス剤は、抗インフルエンザ剤の他、数種類しかありません。
新型ウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。
治療を進めていくためには、患者の安静が必要です。
病状が重度である場合は入院により、安静に治療できる環境下での抗菌剤の投薬と治癒力での病気の回復を待ちます。
肺機能が著しく低下した重い呼吸不全の場合は人工呼吸器を使って体の酸素の状態を保ちます。
人工呼吸器を使っても体の酸素の状態が保てないほど呼吸障害が進んだ場合はエクモと呼ばれる体外式膜型人工肺で生命を維持します。
新型ウイルスに感染しないためには、「密閉」「密集」「密接」の3要素に注意すること。
また、マスク・手洗い・うがい等の予防対策が重要です。
もし、新型ウイルスに感染しても肺炎を発症しないためには免疫力を高めておくことが大切です。
先ずは、充分な睡眠をとる事を心掛けましょう。
免疫力は睡眠中に維持・強化されます。
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